【解説付き】111回薬剤師国家試験 問121~問140 理論 衛生 解答解説

問121

解答・解説

正答:1,3

1:○ 出生率が高く、底辺が広いピラミッド型は、人口が急増している時期の特徴です。

2:× 年少人口が流出して生じるのは「ひょうたん型」と呼ばれます。ピラミッド型は多産多死(または多産少死)の形です。

3:○ つぼ型は、出生率が安定した「つりがね型」よりもさらに出生率が低下し、子供の割合が減った状態です。

4:× 第二次世界大戦前の日本の人口ピラミッドは、子供が多い「ピラミッド型」でした。

5:× 現在の日本の人口ピラミッドは、少子高齢化が進んだ「つぼ型(の変形)」です。ひょうたん型ではありません。

問122

解答・解説

正答:2,3

1:× A(肺がん)の増加は、主に過去の喫煙習慣の影響と考えられています。運動不足が主な理由ではありません。

2:○ B(男性・大腸)やE(女性・乳房)の増加には、動物性脂質の摂取増など食事の欧米化が深く関与しています。

3:○ Cは膵臓がんです。リスク要因として糖尿病や喫煙、肥満などが挙げられます。

4:× Dは前立腺がんです。食物繊維の過剰摂取がリスクになるという報告はありません。高脂肪食などがリスクとされます。

5:× F(子宮がん等)の低下は主に検診の普及によるものです。HPVワクチンの定期接種化はこのグラフの長期間の推移の主因ではありません。

問123

解答・解説

正答:1,5

1:○ スマート・ライフ・プロジェクトは、運動、食事、禁煙、健診受診をテーマとした国民運動です。

2:× 国民健康・栄養調査は、健康増進法に基づいて「毎年」実施されています。5年ごとではありません。

3:× 日本人の食事摂取基準は、食育基本法ではなく「健康増進法」に基づいて定められています。

4:× 特定健康診査(メタボ健診)の対象は、40歳から74歳までの医療保険加入者です。

5:○ がんの実態把握を目的として、がん登録推進法に基づき「全国がん登録」が実施されています。

問124

解答・解説

正答:2,3

1:× Aは高血圧です。運動不足はEに該当します。

2:○ Bは喫煙です。肺がんや循環器疾患の大きな要因であり、禁煙と受動喫煙の防止が有効な対策です。

3:○ Cは高血糖です。糖尿病や腎臓病の原因となり、食事の適正化や運動習慣が予防に有効です。

4:× Dは塩分の過剰摂取です。高血圧は第1位のAです。

5:× Eは運動不足です。アルコール摂取ではありません。

※令和7年厚生労働白書より

問125

解答・解説

正答:2,5

1:× 呼吸用保護具(マスク)の着用は、作業の方法を管理する「作業管理」に該当します。

2:○ ストレスチェックの実施は、労働者の健康状態を確認・維持する「健康管理」に該当します。

3:× 曝露時間の短縮は、作業のスケジュールや方法を調整する「作業管理」です。

4:× 有害な原材料を無害なものへ変更するのは、環境そのものを改善する「作業環境管理」です。

5:○ 特殊健康診断の実施は、特定の有害業務による健康への影響を調べる「健康管理」に該当します。

問126

解答・解説

正答:1,5

1:○ グラフの通り、血糖値の上昇が緩やかな食品B(玄米)の方が、食品A(精白米)よりGI値が低いです。ちなみに、GI値(グライセミック・インデックス)とは、食後の血糖値がどれくらい上がりやすいかを示す指標です。一般的に、GI値が70以上の食品は「高GI食品」、56〜69が「中GI食品」、55以下が「低GI食品」とされています。

2:× 食品Aのような高GI食品の継続摂取は、糖尿病の発症リスクを高める可能性があります。

3:× インスリンはグリコーゲンの「合成」を促進します。分解を促進するのはグルカゴンなどです。

4:× 筋肉への取り込みに関わるのはGLUT4です。SGLT1は小腸などでの能動輸送に関わります。

5:○ 難消化性デキストリンは糖の吸収を遅らせるため、食後の血糖値の最大値を低く抑えることができます。

問127

解答・解説

正答:1,3

1:○ ベータカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるプロビタミンAです。

2:× アントシアニンはポリフェノールの一種ですが、メラニンの生成を促進する作用はありません。

3:○ クロロゲン酸はコーヒーに含まれる成分で、脂肪の燃焼を促進する作用が知られています。

4:× ラクトトリペプチドは、アンジオテンシン変換酵素を「阻害」して血圧を「低下」させます。

5:× グルコサミンに膵リパーゼを阻害して中性脂肪を低下させる作用はありません。

問128

解答・解説

正答:1,4

1:○ 赤身魚に多いヒスチジンが細菌によりヒスタミンに分解され、アレルギー様食中毒の原因となります。

2:× トリメチルアミンは、トリメチルアミンオキシドが細菌によって「還元」されて生成します。

3:× チラミンは「チロシン」が脱炭酸されて生成します。リシンからはカダベリンが生成します。

4:○ スカトールは、アミノ酸のトリプトファンが細菌によって分解されることで生成します。

5:× 硫化水素などは、システインなどの「含硫アミノ酸」から生成します。アルギニンではありません。

問129

解答・解説

正答:2,3

1:× A(安息香酸)は保存料です。甘味料ではありません。

2:○ B(BHA)は油脂などの酸化を防ぐ「酸化防止剤」として用いられます。

3:○ C(チアベンダゾール)は、柑橘類などのカビを防ぐ「防かび剤」として用いられます。

4:× D(没食子酸プロピル)は酸化防止剤です。着色料ではありません。

5:× E(アスパルテーム)は甘味料です。保存料ではありません。

問130

解答・解説

正答:2,4

1:× A(アクリルアミド)は主にエポキシ化され、グリシドアミドを生成して活性化されます。

2:○ B(塩化ビニル)は代謝され、反応性の高いクロロエチレンオキシドを生成します。

3:× C(アフラトキシンB1)はエポキシ化されて活性化されます。メチルカチオンは生じません。

4:○ D(ベンゾ[a]ピレン)は多段階の代謝を経て、究極発がん物質であるジオールエポキシ体を生成します。

5:× E(2-アセチルアミノフルオレン)は、主に窒素原子が酸化(N-ヒドロキシ化)されて活性化されます。

問131

解答・解説

正答:4,5

1:× A(パラチオン)は、体内で酸化(P=O体へ代謝)されることでアセチルコリンエステラーゼを「阻害」します。活性化させるわけではありません。

2:× B(ピレスロイド系)は、エステル結合が加水分解されることで「解毒(失活)」されます。毒性が強まるわけではありません。

3:× C(カルバメート系)による酵素の阻害は「可逆的」であり、有機リン系に比べて速やかに解離します。

4:○ D(グリホサート)は、植物特有のシキミ酸経路に関わる酵素(EPSP合成酵素)を阻害することで除草作用を示します。

5:○ E(パラコート)は、細胞内でラジカルを生成し、酸素と反応してスーパーオキシドアニオンなどの活性酸素を生じさせることで毒性を示します。

問132

解答・解説

正答:1,4

1:○ 大麻の主成分(THC)は代謝を受けやすいため、尿中からは主に代謝物として検出されます。

2:× マルキス試薬は、モルヒネなどのアヘンアルカロイドやアンフェタミン類の検出に用いられます。大麻用ではありません。

3:× シモン反応は、メタンフェタミンなどの「第2級アミン」を検出する反応です。

4:○ 原因物質が不明な場合でも、症状の集まり(トキシドローム)から中毒物質を推定することは救急現場で重要です。

5:× 散瞳や頻脈は「抗コリン作動性」の特徴です。有機リン系中毒では逆に「縮瞳」や徐脈が見られます。

問133

解答・解説

正答:1,5

1:○ 毒性試験の国際的な標準化のため、OECDやICHによるガイドラインが作成され、世界共通の基準となっています。

2:× 発がん性試験は、マウスやラットを用いて長期間投与を行う「in vivo(生体内)」試験です。細菌を使うのは変異原性試験です。

3:× 変異原性試験には、試験管内の試験だけでなく、動物個体を用いる「in vivo(小核試験など)」も含まれます。

4:× 生殖発生毒性試験では、受胎能への影響を調べるために「雌雄両方」の親動物に投与を行います。

5:○ LLNA(局所リンパ節試験)は、マウスの耳介に被験物質を塗り、リンパ節の反応を見ることで感作性(アレルギー)を判定します。

問134

解答・解説

正答:2,3

1:× 無毒性量(NOAEL)は、主に長期間の「反復投与毒性試験」の結果から推定されます。

2:○ 遺伝毒性発がん物質のように閾値がないとされる物質には、一生涯摂取してもがんのリスクが無視できる「実質安全量(VSD)」が用いられます。

3:○ ベンチマークドーズ(BMD)法は、NOAELが求められない場合や、より精緻なリスク評価を行うために活用されます。

4:× ADI(許容一日摂取量)は、閾値がある(一定量までは無害)と考えられる物質に適用されます。

5:× ADIは「ヒト」の健康を守るための指標です。生態系(環境)への影響は別の指標で評価されます。

問135

解答・解説

正答:4,5

1:× ヨウ素131は甲状腺に集まりますが、ストロンチウム90はカルシウムと挙動が似ているため「骨」に集積します。

2:× ラドン222はガス状の放射性物質であり、吸入による「内部被曝」が主な問題となります。

3:× ベルゴニー・トリボンドーの法則により、細胞分裂が盛んな組織ほど感受性が高いです。筋肉より皮膚の方が感受性は高いです。

4:○ 急性症状が出ない程度の曝露でも、数年後以降に発がんなどが見られることがあり、これを晩発障害と呼びます。

5:○ 現在も食品衛生法に基づき、食品中の放射性セシウムには厳しい基準値が設定されています。

問136

解答・解説

正答:1,2

1:○ 嫌気性消化(酸素のない状態での分解)は、汚泥の量を減らすための有効な手法です。

2:○ 嫌気性処理の過程で発生するメタンガスは、燃料や発電などのエネルギーとして再利用が可能です。

3:× 嫌気性処理は、有機物濃度が「高い」排水の処理に適しています。

4:× 標準活性汚泥法では、空気を送り込む「好気性」の微生物によって有機物を分解します。

5:× リン蓄積菌がリンを「取り込む」のは好気槽です。嫌気槽では逆に放出します。

問137

解答・解説

正答:1,4

1:○ 有機汚濁の指標として、河川ではBOD、湖沼や海域ではCODが環境基準の指標として用いられます。

2:× 湖沼は閉鎖性水域のため汚れが溜まりやすく、河川に比べて環境基準の達成率は低い傾向にあります。

3:× COD測定で硝酸銀を加えるのは、妨害物質である塩化物イオンを「除去(沈殿)」するためです。

4:○ BOD測定において、有機物を分解する微生物が足りない場合には「種付け水」として微生物を補給します。

5:× BODとCODの比率は、含まれる有機物の種類(微生物が分解しやすいか等)によって大きく変動します。

問138

解答・解説

正答:2,5

1:× 物質A(光化学オキシダント)は、NOxやVOCが日光を受けて反応してできる「二次生成物質」です。

2:○ 光化学オキシダントの大部分(90パーセント以上)は、強い酸化作用を持つオゾンが占めています。

3:× 光化学反応に関与するのは、メタン以外の炭化水素(非メタン炭化水素)です。

4:× 物質B(PM2.5)の定義は、粒径が「2.5マイクロメートル以下」の粒子です。10マイクロメートルはSPMの定義です。

5:○ VOC(揮発性有機化合物)は、オキシダントとPM2.5の両方の原因となるため、排出規制が行われています。

問139

解答・解説

正答:2,4

1:× TVOCの暫定目標値は、毒性学的な根拠ではなく、一般的な住宅の現状から達成可能な目安として設定されています。

2:○ 学校環境衛生基準において、ダニアレルゲンの維持管理基準が定められており、定期的な検査が必要です。

3:× ホルムアルデヒドは建築基準法で使用が「制限(区分管理)」されていますが、全ての建材で全面的に禁止されているわけではありません。

4:○ カビの増殖は湿度に依存するため、清掃と除湿によってアレルギー疾患の原因(アレルゲン)を減らすことが重要です。

5:× レジオネラ症のリスクが高いのは、免疫力が低下した高齢者などです。若年層で患者数が多いという事実はありません。

問140

解答・解説

正答:2,3

1:× 一般廃棄物の処理責任は市町村にありますが、産業廃棄物の処理は「排出事業者(出した会社)」が責任を負います。

2:○ 感染性廃棄物は、その発生源や性質により、特別管理一般廃棄物または特別管理産業廃棄物に分類されます。

3:○ 感染症法で入院措置がとられた患者の病床から出る廃棄物は、感染の危険があるため、感染性廃棄物として扱います。

4:× 注射針などの鋭利なものには「黄色」のバイオハザードマークを付けるのがルールです。赤色ではありません。

5:× 産業廃棄物の流れを記録する仕組みは「マニフェスト制度」です。PRTRは化学物質の排出量を把握する仕組みです。

※万が一誤りがあった場合、その結果については責任を負いかねますので、予めご了承ください。

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