薬剤師国家試験は数ある国家試験のなかでも難関であることは有名です。近年の合格率を見ても、その厳しさは明らかですよね。

とくに、既卒者の合格率の低さは薬剤師国家試験の大きな特徴のひとつでもあります。

金銭面や勉強時間の確保、モチベーションの維持管理など、さまざまな障壁が多くなる浪人生ですが、ここであきらめてしまってはいけません。これからの行動次第で、必ず未来は切り開けます。

では、どのように勉強していけばよいか。

結論からいって、国試浪人生こそ予備校を利用することを強くおすすめします。もちろん費用面などの負担はありますが、厳しい現状のなかで確実に合格をつかみ取りたいのであれば間違いなく利用すべきです。

そこで、この記事では以下の内容を解説します。

薬剤師国家試験浪人生の現状と課題

薬剤師国家試験浪人生こそ予備校に通うべき理由

薬剤師になるという夢を諦めずに、もう一度チャレンジしようという皆さんの勇気を心から応援します。

この記事が、皆さんの合格への道筋を照らす一助となれば幸いです。ぜひチェックしてください！

薬剤師国家試験浪人生の現状と課題

ここでは、薬剤師国家試験浪人生の置かれている現状と、そこから見えてくる課題について詳しく解説していきます。

薬剤師国家試験の合格率の現状

以下の表は、過去3年間に行われた薬剤師国家試験の合格率です。

合格率（％）	全体	新卒者	既卒者	その他
第109回（2024年）	68.43％	84.36％	42.42％	43.87％
第108回（2023年）	69.00％	84.86％	44.05％	36.65％
第107回（2022年）	68.02％	85.24％	40.75％	39.26％

表の数値からわかるとおり、国試浪人生の現状は決して楽観視できるものではありません。とくに、既卒者の合格率は浪人生が置かれている厳しい状況をリアルに表しているといえるでしょう。さらに、2024年以前の数年間の統計を見ても、既卒者の合格率は新卒者と比べて常に30〜40%ほど低い傾向が続いています。

国試浪人生の課題

モチベーションが続かない

周囲の友人たちが就職し、社会人として歩み始める中、自分だけが取り残されたような焦りや不安を感じることもあるはずです。

このようななかで、まずは気持ちをしっかりと切り替えることが重要です。再度合格に向けてモチベーションを上げていけるかが、大きなポイントとなります。

学習環境が大きく変わる

大学在学中は、仲間とともに勉強し刺激し合える環境があったことでしょう。しかし、浪人生活では一人で学習を進めなければならないケースが多くなります。

ここでどうしても感じてしまう孤独感が、学習効率の低下やモチベーションの低下につながります。

次に向けてがんばるためにも、ともに戦う「仲間」の存在は重要といえるでしょう。

勉強時間の確保が難しくなる

当然ですが、浪人生活を送るにもお金がかかります。生活費だけでも、相応の経済的負担はあるでしょう。

親などから経済的支援をもらえればよいですが、アルバイトと勉強の両立を強いられる人も多く、十分な学習時間の確保が難しくなることがあります。

しかし、金銭面のことばかりにとらわれて、肝心の勉強がおろそかになっては元も子もありません。ライフスタイルをしっかりと見直して、勉強の時間をしっかりと確保できるような工夫も必要です。

学習課題の見直しが難しい

浪人生が勉強でまず取り組むべきは分析と見直しです。不合格となった原因を徹底的に分析し、効果的な学習方法の再構築は必須条件といえるでしょう。

しかし、これを一人で行うのは簡単なことではありません。

他者の目を通して客観的な視点で評価してもらい、適切なサポートを受けることがもっとも効率的な手段です。

薬剤師国家試験浪人生が予備校に通うべき理由

薬剤師国家試験予備校は、国試浪人生にとって非常に有効な手段です。本気で合格を目指すのならば、間違いなく予備校を利用するべきでしょう。

ここでは、国試浪人にこそ予備校をおすすめしたい7つの理由を解説します。

浪人生に特化したカリキュラムがある

新卒の受験生の場合は、基礎から応用まで幅広くカバーしますが、浪人生向けの授業では苦手分野の克服や、最新の出題傾向に焦点を当てた内容が多くなることもあります。

これにより、限られた時間で効率的に学習を進めることができるでしょう。

合格実績が豊富で安心して学べる

上記にもあったとおり、薬剤師国家試験における浪人生（既卒者）の合格率は約40％と新卒者に比べて圧倒的に低い傾向にあります。

しかし、予備校ではほぼすべてがこれよりも高い合格実績を出しており、なかには既卒者合格率が70%を超える予備校も存在します。これは全体の合格率も大きく上回る数字であり、予備校での学習が効果的であることを示しているといえるでしょう。

弱点の分析と見直しができる

大切なのは、ただ弱点を認識するだけでなく、それを克服するための具体的な戦略を立てることです。

授業形式は予備校によって多種多様ですが、多くの予備校では、個別指導や個別対応の時間を設けています。この時間をいかに有効活用するかがポイントです。

自分の弱点や疑問点を、国試対策に精通したプロの講師に相談することで、より効果的な学習計画を立てられるでしょう。

割引が適用されるところもある

予備校によっては、浪人生を対象とした割引制度を用意しているところもあります。

「お金がかかるからむり！」と一概に考えるのではなく、費用を押さえて通うことができないか、合格のためにも前向きに考えてみてください。

モチベーションを維持できる

一度不合格を経験して落ち込んだ気持ちを、たった一人で盛り返すことは容易なことではありません。

まずは小さな目標を設定し、ひとつずつ達成しながら成長するよろこびを感じることが大切です。たとえば、週ごとの学習目標を立て、それを達成したら自分へのご褒美を用意するなどの工夫が効果的。

予備校の仲間との交流も重要です。同じ目標を持つ仲間や講師と励ましてもらうことで、孤独感を軽減し、モチベーションを高め合うことができるでしょう。

自分の成長を定期的に確認できる

予備校で実施される模擬試験や課題などの結果を、単なる点数としてではなく自分の成長の証としてとらえることで、さらなるレベルアップにつなげられます。

たとえ点数が思うように伸びなくても、以前よりも理解が深まっている部分や、解答のスピードが上がっている点など、小さな進歩を見つけ、それを自信につなげていくことが重要です。

健康を管理しやすい

不安な気持ちや睡眠不足、食欲不振などの生活リズムの乱れは、学習効率を下げる大きな要因となります。毎日、追い込まれながら深夜にわって勉強する日々を過ごすのではなく、メリハリのある生活リズムを作ることが大切。

予備校の多くは、一人ひとりのライフスタイルに合わせてむりのないカリキュラムを提案してくれます。体と心を健康に保つことで、より高い効果を生み出すことができるでしょう。

まとめ

浪人生にとって薬剤師国家試験の合格は厳しく、おそらくは険しい道のりとなるでしょう。しかし、予備校を利用することで、効率的に合格への道を切り開くことができます。今後もあきらめずにがんばるみなさんを、心から応援しています！

なお、薬剤師国家試験予備校に関しては、以前ご紹介した記事「薬剤師国家試験予備校に通うメリットと選ぶポイントを徹底解説」にも詳しく載せていますので、こちらもぜひ参考にしてください！