薬学部の夏休みの勉強法【4〜6年生向け】CBT・実習・国試から逆算して解説

薬学部の高学年にとって、夏休みは低学年とは意味が違います。1〜3年生の夏が「前期の積み残しを回収する時間」だとすれば、4〜6年生の夏は次の関門から逆算して動く時間です。

幸いなことに、高学年は次に何が待っているかがはっきりしています。ゴールが決まっていれば、そこから引き算するだけで、やることは自然と絞れます。

この記事では、4年生・5年生・6年生それぞれが夏休みにやるべきことを整理しました。

目次

高学年の夏休みは「次の関門から逆算する」

まず、自分の学年の次のゴールを確認しておきましょう。

学年 次の関門 夏休みにやること
4年生 CBT・OSCE(4年次の12月〜1月) CBTの出題範囲を一周する
5年生 実務実習と、国試対策のスタート 物理・化学・生物に手をつける
6年生 統一模試Ⅰ(9月)と、卒業試験・国試 物化生の総仕上げ

3学年に共通しているのは、ここから先はまとまった時間が取りにくくなるということです。4年生は後期にCBT対策と実習前の準備が重なり、5年生は実務実習が始まり、6年生は模試と卒業試験に追われます。

だからこそ、夏休みの数週間が持つ意味が大きくなります。

学年別|夏休みにやるべきこと

4年生|CBTの範囲を夏のうちに一周する

CBTは、薬学部4年次に受ける薬学共用試験のひとつで、コンピュータを使って行う知識の試験です。OSCEとあわせて合格しないと、5年次の実務実習に進めません。

本試験はいずれも4年次の12月〜1月の間に、各大学が設定した日程で実施されます。夏休みの時点では半年ほど先のことに感じられますが、CBTの出題範囲は1年次から4年次までに学んだ内容のほぼ全体に及びます。秋から始めて間に合わせようとすると、かなり苦しくなります。

おすすめは、夏休みのうちに問題集を薄く一周しておくことです。完璧に理解する必要はありません。「どこが分かっていないか」を洗い出すだけで十分です。秋以降は、その洗い出したところに時間を集中させればよくなります。

優先順位をつけるなら、物理・化学・生物と、薬理から手をつけるのが効率的です。物化生は他科目の土台になりますし、薬理は出題数が多いうえに国試までずっと使い続ける知識だからです。逆に、法規や実務は範囲が限られているので、秋以降でも十分に間に合います。

もうひとつ、薬学共用試験センターが4年生向けにCBT体験受験を毎年7〜9月に実施しています。本番の形式に触れておくと、必要な勉強量の見当がつきやすくなります。CBTの勉強をこれから始める方は、まず受けてみて、そこから逆算するのもひとつの方法です。

5年生|実習の合間に、物理・化学・生物を始める

5年生は、実務実習で学外に出る時間が長く、自分のペースで勉強する時間が最も取りにくい学年です。裏を返せば、まとまった時間が取れる夏休みの価値がいちばん高い学年とも言えます。

この時期に手をつけておきたいのが、物理・化学・生物(物化生)です。理由は、国試対策が本格化する6年次には、物化生に割ける時間がほとんど残らないからです。6年生の9月に統一模試Ⅰを受けたあとは、薬理・薬治・衛生・薬剤・法規に追われて、基礎科目に戻る余裕がなくなります。

物化生は、薬理や薬剤といった主要科目の土台になる科目です。ここが固まっていないまま暗記だけで進めると、覚えては忘れるを繰り返すことになります。5年生の夏に少しでも触れておけるかどうかで、1年後の伸び方が変わってきます。

あわせて、実務実習で経験したことを国試の知識と結びつけておくのもおすすめです。実習で見た薬剤や症例は、国試の実践問題でそのまま問われることがあります。

5年生の過ごし方は、こちらでも詳しく解説しています。

薬剤師国家試験に向けて5年生から始めておくべき勉強とは?

6年生|統一模試Ⅰに向けて物化生を仕上げる

6年生にとって、夏休み明けの9月に実施される統一模試Ⅰが最初の関門です。ひとつの目安として、統一模試Ⅰで最低限とっておきたいのは140点とされています。夏休みの過ごし方は、この数字から逆算して決めていくとよいでしょう。

やるべきことは5年生と同じく物化生ですが、6年生の場合は「始める」ではなく「仕上げる」段階になります。統一模試Ⅰ以降、物化生に使える時間は現実的にほぼなくなります。この夏が事実上のラストチャンスだと考えてください。

注意点として、範囲を欲張らないことです。夏休みで物化生を完璧に一周しようとすると、どうしても浅く流すだけになります。頻出分野を絞り、そこを確実に解けるようにするほうが、模試の点数にもその後の学習にもつながります。

統一模試Ⅰに向けた具体的な進め方は、こちらでまとめています。

薬剤師国家試験の物理・化学・生物を徹底攻略!夏までに攻略がポイント

限られた時間で計画を立てるコツ

高学年は、実習やバイト、研究室の活動などで、日によって使える時間がまちまちです。そこで「1日◯時間やる」という時間で決めた計画は、まず崩れます。予定が入った日に達成できず、そこで挫折してしまうからです。

おすすめは、「1日◯問」「1日◯ページ」と量で決めることです。量で管理すると、忙しい日は朝と夜に分けて消化する、余裕のある日にまとめて進めるといった調整ができます。

そして、計画は最初から余白をつくっておいてください。1週間のうち1日は予備日にしておくと、遅れが出ても週内で取り戻せます。予定どおりに進む日ばかりではない、という前提で組むほうが結局は続きます。

やってはいけない夏休みの過ごし方

①完璧な計画を立てて、初日に破綻する

朝から晩まで埋まった計画表は、達成できなかったときの落ち込みが大きく、そこで止まってしまいがちです。7割できれば上出来、くらいの分量にしておきましょう。

②参考書を新しく買い足す

不安になると、つい新しい教材が良く見えてきます。ですが、増やしたぶんだけどれも中途半端になります。今持っているものを繰り返すほうが確実です。

③「実習が終わってから」と先送りする

とくに5年生に多いパターンです。実習が終わったあとには、また次の予定が入ってきます。1日30分でもいいので、今のうちに手をつけておくことをおすすめします。

まとめ

  • 高学年の夏休みは、次の関門から逆算して使う
  • 4年生はCBTの範囲を薄く一周し、分からないところを洗い出す
  • 5年生は実習の合間に物理・化学・生物に手をつける
  • 6年生は統一模試Ⅰに向けて物化生を仕上げる。範囲は絞る
  • 計画は「時間」ではなく「量」で決め、予備日をつくっておく

ここから先は、まとまった時間が取りにくくなる時期が続きます。とはいえ、休むことも大切です。休養も予定のひとつとして組み込みながら、進めていってくださいね。

夏の過ごし方から巻き返した先輩たちがいます

メディウィングの受講生にも、基礎が固まらないまま高学年を迎え、そこから合格まで伸ばされた方がいます。

受講生 統一Ⅰ 統一Ⅱ 統一Ⅲ 国試本番
Iさん(6年生) 148点 196点 210点 265点で合格
Oさん(浪人生) 133点 167点 204点 218点で合格

※いずれも第109回薬剤師国家試験

Iさんは、まだ基礎事項が固まっていない状態からのスタートでした。基礎の安定化と学習計画の管理を進めたことで、統一Ⅱで一気に点数を伸ばされています。

Oさんは長時間勉強されていたにもかかわらず点数が上がらず、学習計画をすべて組み直したことで合格まで届いた方です。

点数が伸びない原因は、勉強量ではなく勉強のやり方にあることが少なくありません。今の進め方でいいのか迷われている方は、一度ご相談ください。

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