【解説付き】111回薬剤師国家試験 問151~問195 理論 薬理・薬剤・病態 解答解説

問151

解答・解説

正答:1, 4
1:○ pD2値は、最大反応の50%を引き起こす濃度の負の常用対数です。グラフより刺激薬A単独の50%効果濃度は10の-7乗(mol/L)なので、pD2は7となり正しいです。
2:× 薬物Xを併用すると曲線が右側に平行移動しているため競合的拮抗薬です。pA2値は作動薬の用量―反応曲線を2倍だけ高濃度側に平行移動させるのに必要な、拮抗薬のモル濃度の負の対数であるため、Xを加えたグラフよりも左側に用量―反応曲線が来ることになる。その際、Xの濃度は10の-7乗(mol/L)より少なくなるはずなので負の対数をとるとpA2値は「7より大きくなる」。
3:× グラフの横軸に沿って濃度を確認すると、10の-5乗の刺激薬Aの反応は、薬物X併用により約75%へ低下しており、誤りです。
4:○ 薬物Yの併用により、最大反応(グラフの高さ)が低下しているため、非競合的拮抗薬の特徴と一致します。
5:× 「薬物Yに収縮作用はない」と問題文にあるため、内活性は0です。0.5は誤りです。

問152

解答・解説

正答:1, 2
1:○ ピロカルピンはアセチルコリンM3受容体を刺激し、毛様体筋を収縮させることで眼圧を下げます。
2:○ アトロピンはM2受容体を遮断することで、副交感神経による抑制を解除し、心拍数を増加させます。
3:× ジスチグミンは「可逆的」にコリンエステラーゼを阻害します。非可逆的なのは有機リン系薬剤です。
4:× ベタネコールはM3受容体を「刺激」して、腸管平滑筋を「収縮(運動亢進)」させます。
5:× トロピカミドはM3受容体を「遮断」して散瞳(瞳孔を開く)させます。刺激はしません。

問153

解答・解説

正答:3, 5
1:× ロクロニウムはアセチルコリンNm受容体を遮断します。Na+チャネルに結合するのは局所麻酔薬などの機序です。
2:× スガマデクスはロクロニウム等を包接しますが、スキサメトニウムには効果がありません。
3:○ ダントロレンは骨格筋のリアノジン受容体を遮断し、カルシウム放出を抑制して筋弛緩させます。
4:× バクロフェンはGABA-B受容体を刺激します。GABA-A受容体ではありません。
5:○ チザニジンはアドレナリンα2受容体を刺激し、中枢(脊髄)で反射を抑制する中枢性筋弛緩薬です。

問154,155

解答・解説

問154
正答:1, 2
1:○ 「話の内容が次々と脱線し、まとまらない」という記述は、躁状態でみられる観念奔逸にあたります。
2:○ 「自分には特別な才能がある」という確信は、躁状態でみられる誇大妄想にあたります。
3:× 心気妄想はうつ病の三徴の一つであり、本症例の躁状態とは一致しません。
4:× 罪業妄想はうつ病の三徴の一つです。
5:× 貧困妄想はうつ病の三徴の一つです。

問155
正答:3, 5
1:× 炭酸リチウムは、ホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転を「抑制」することで過剰な信号を抑えます。
2:× オランザピンは受容体遮断薬(MARTA)です。カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合するのはガバペンチン等です。
3:○ アリピプラゾールは、D2および5-HT1A受容体の部分刺激薬(パーシャルアゴニスト)として作用します。
4:× カルバマゼピンはNa+チャネル遮断が主機序です。GABAトランスアミナーゼを阻害するのはビガバトリン等です。
5:○ ラモトリギンは、電位依存性Na+チャネルを遮断し、神経の過剰な興奮を抑えます。

問156

解答・解説

正答:1, 4
1:○ エレトリプタンは5-HT1B/1D受容体を刺激し、脳血管を収縮させて片頭痛の痛みを抑えます。
2:× ゾルミトリプタンは5-HT1B/1D受容体に作用します。5-HT1F受容体を選択的に刺激するのはラスミジタンです。
3:× エレヌマブは、CGRP「受容体」に対する抗体です。カルシウムチャネルに直接は働きません。
4:○ ガルカネズマブは、CGRP「そのもの」に結合してその働きを封じ込める抗体製剤です。
5:× ロメリジンはカルシウムチャネル遮断薬です。プロスタグランジン産生を抑制するのはNSAIDsです。

問157,158

解答・解説

問157
正答:2, 3
1:× 通年性アレルギー性鼻炎の主な原因はダニ(ハウスダスト)です。スギ花粉は季節性です。
2:○ 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)では、目の痒みや充血を伴う結膜炎を併発しやすいです。
3:○ 鼻噴霧用ステロイド薬は、くしゃみ・鼻汁・鼻閉のすべての症状に有効で、第一選択薬となります。
4:× エタネルセプトは関節リウマチなどの薬です。鼻炎の重症例に用いられるのはオマリズマブです。
5:× 減感作療法(シダキュア等の舌下免疫療法など)は、3〜5年程度の長期間の継続が必要です。2〜3週間では終わりません。

問158
正答:1, 5
1:○ ビラスチンは、抗ヒスタミン薬としてH1受容体を遮断し、鼻汁やくしゃみを抑制します。
2:× クロモグリク酸は遊離抑制薬です。α受容体を刺激するのはナファゾリン等の局所血管収縮薬です。
3:× トラニラストは遊離抑制薬です。CysLT1受容体を遮断するのはプランルカスト等です。
4:× プランルカストはロイコトリエン受容体拮抗薬です。IgE抗体を中和するのはオマリズマブです。
5:○ ラマトロバンは、トロンボキサンA2受容体(TP)とDP2受容体を遮断し、鼻粘膜の炎症を抑えます。

問159

解答・解説

正答:1, 4
1:○ アレンドロン酸は、メバロン酸経路のFPP合成酵素を阻害し、破骨細胞の働きを強力に抑えます。
2:× カルシトリオール(活性型ビタミンD3)は、ビタミンD受容体(VDR)に結合して腸からのCa吸収を高めます。
3:× テリパラチドはPTH受容体に結合します。破骨細胞のVDRに結合するわけではありません。
4:○ ラロキシフェン(SERM)は、骨においてエストロゲン受容体に作用し、骨吸収を抑制します。
5:× ロモソズマブは、スクレロスチンを阻害することで古典的Wntシグナルを「活性化」させ、骨形成を促します。

問160,161

解答・解説

問160
正答:2, 4
1:× 症状が安定しており、「労作時に出現、安静で消失」するため、安定狭心症に分類されます。
2:○ 労作性狭心症は、動脈硬化による冠動脈の物理的な狭窄(器質的狭窄)が原因です。
3:× 心筋トロポニン等の上昇は心筋梗塞(細胞死)でみられます。狭心症では上昇しません。
4:○ 75歳未満の冠動脈疾患合併患者の降圧目標は、診察室血圧で 130/80 mmHg 未満です。
5:× 二次予防のLDL目標値は100 mg/dL未満(高リスクは70未満)です。132 mg/dLは目標未達です。

問161
正答:2, 3
1:× ニトログリセリンは「グアニル酸シクラーゼ」を活性化してcGMPを増やし、血管を拡張させます。アデニル酸シクラーゼではありません。
2:○ アテノロールは選択的アドレナリンβ1受容体遮断薬であり、心筋の酸素需要を減少させます。
3:○ ニフェジピンはL型カルシウムチャネルを遮断し、冠動脈を拡張させます。
4:× ジルチアゼムは「カルシウムチャネル」を遮断します。Na+チャネルではありません。
5:× ニコランジルは、ATP感受性K+チャネルを「開口」させることで血管を拡張させます。遮断ではありません。

問162

解答・解説

正答:1, 2
1:○ アジルサルタンはアンジオテンシンⅡ AT1受容体を遮断し、血管収縮やアルドステロン分泌を抑えます。
2:○ シルニジピンはL型に加えてN型カルシウムチャネルも遮断し、交感神経からのノルアドレナリン遊離を抑えます。
3:× ヒドロクロロチアジドは「Na+-Cl-共輸送体」を阻害します。Na+-K+-2Cl-共輸送体を阻害するのはループ利尿薬です。
4:× ウラピジルはアドレナリンα1受容体を遮断します。α2受容体遮断ではありません。
5:× イミダプリルはACE(アンジオテンシン変換酵素)を阻害します。レニンを直接阻害するのはアリスキレンです。

問163

解答・解説

正答:1, 5
1:○ ワルファリンはビタミンKエポキシド還元酵素を阻害し、凝固因子の生成を抑えます。
2:× ヘパリンはアンチトロンビンの作用を強めます。プラスミノーゲンをプラスミンに変えるのはウロキナーゼ等です。
3:× ナファモスタットはアンチトロンビン「なし」でトロンビン等を阻害します。アンチトロンビンと結合するのはヘパリンです。
4:× ダビガトランは「トロンビン(第Ⅱa因子)」を直接阻害します。第Ⅹa因子を阻害するのはリバーロキサバン等です。
5:○ トロンボモデュリンアルファは、トロンビンと結合してプロテインCを活性化し、凝固因子(Ⅴa, Ⅷa)を失活させます。

問164

解答・解説

正答:1, 4
1:○ ボノプラザンは、カリウムイオンと競合してプロトンポンプを可逆的に阻害します。
2:× ピレンゼピンはM1受容体を「遮断」して胃酸分泌を抑えます。刺激ではありません。
3:× レバミピドは胃粘膜のプロスタグランジン産生を促進しますが、受容体に直接結合して活性化するわけではありません。
4:○ ニザチジンはH2受容体を遮断して胃酸分泌を抑制します。
5:× ミソプロストールはプロスタグランジン誘導体であり、胃酸分泌を「抑制」します。ドパミン受容体は介しません。

問165

解答・解説

正答:4, 5
1:× レパグリニドはSU受容体に結合します。GLP-1受容体を刺激するのはセマグルトイド等です。
2:× ミグリトールはアルファグルコシダーゼを阻害します。AMPKを活性化するのはメトホルミンです。
3:× セマグルトイドはGLP-1受容体作動薬です。SU受容体に結合するものではありません。
4:○ シタグリプチンはDPP-4を阻害し、インクレチン濃度を上げることでインスリン分泌を促します。
5:○ ピオグリタゾンはPPARガンマを刺激し、インスリン抵抗性を改善します。

問166

解答・解説

正答:1, 4
1:○ テトラコサクチドはACTH受容体を刺激し、コルチゾール(糖質コルチコイド)の生成を促します。
2:× オシロドスタットは11ベータ水酸化酵素を阻害します。ソマトスタチン受容体を刺激するのはオクトレオチド等です。
3:× カベルゴリンはドパミンD2受容体を「刺激」してプロラクチン分泌を抑えます。遮断ではありません。
4:○ フィナステリドは5アルファ還元酵素を阻害し、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑えます。
5:× メチラポンは11ベータ水酸化酵素を阻害します。3ベータヒドロキシステロイド脱水素酵素ではありません。

問167,168

解答・解説

問167
正答:1, 3
1:○ DIC(播種性血管内凝固症候群)に対し、アンチトロンビンを補充して凝固を抑えるのは適切です。
2:× ワルファリンは効果発現が遅く、急性のDIC治療には適しません。
3:○ ヘパリンは凝固を抑制するため、DICの治療に用いられます。
4:× ペグフィルグラスチムはFN(発熱性好中球減少症)の「予防」に用います。発症後の急性治療には通常使いません。
5:× アスピリンは抗血小板薬です。DICでは出血リスクを高める可能性があるため優先されません。

問168
正答:3, 4
1:× ピペラシリンは細胞壁合成阻害薬です。葉酸合成阻害ではありません。
2:× セフトリアキソンはPBPに結合します。D-アラニル-D-アラニンに結合するのはバンコマイシンです。
3:○ ゲンタマイシンは30Sリボソームに結合して蛋白質合成を阻害します。
4:○ メロペネムはPBPに結合し、細胞壁合成を阻害して殺菌的に作用します。
5:× タゾバクタムはベータラクタマーゼ阻害薬です。DNAジャイレース阻害はニューキノロンの機序です。

問169

解答・解説

正答:1, 4
1:○ メルカプトプリンはチオイノシン酸に代謝され、プリンヌクレオチドの生成を阻害します。
2:× イリノテカン(SN-38)はトポイソメラーゼ1を阻害します。DNAポリメラーゼではありません。
3:× ゲムシタビンはピリミジン拮抗薬です。アルキル化剤ではありません。
4:○ リュープロレリンはGnRH受容体のダウンレギュレーションを起こし、テストステロン分泌を抑制します。
5:× ニボルマブはT細胞のPD-1に結合します。がん細胞のPD-L1に結合するわけではありません。

問170

解答・解説

正答:1, 5
1:○ グラフAは朝食後、Bは空腹時です。食後の方が胃内容排出が遅くなり、リボフラビンの吸収効率が高まります。
2:× 記述が逆です。Aが食後、Bが空腹時です。
3:× 空腹時(B)に吸収が低いのは、排出速度が「速すぎて」吸収系が飽和するためです。「低下」が原因ではありません。
4:× 飽和するのは「取り込み」トランスポーターです。「排出」トランスポーターの飽和ではありません。
5:○ メトクロプラミドは胃内容排出を速めるため、食事の有無に関わらず吸収効率を下げ、B(空腹時)の曲線に近づけます。

問171

解答・解説

正答:2, 3
1:× 脳毛細血管内皮細胞には密着結合があり、薬物は細胞間隙ではなく、細胞内を通過して移行します。
2:○ 脂溶性が高いほど、単純拡散により血液脳関門(BBB)を通過しやすくなります。
3:○ 単純拡散のみの場合、平衡状態では血漿中と脳内の「非結合形」濃度は等しくなります。
4:× P-糖蛋白質(排出ポンプ)の基質となる薬物は、脳内濃度が血漿中よりも「低く」なります。
5:× 能動輸送(取り込み)される場合は、脳内非結合形濃度が血漿中濃度を「超える」ことがあります。

問172

解答・解説

正答:3, 5
1:× アロプリノールがXO(キサンチン酸化酵素)を阻害します。クラリスロマイシンではありません。
2:× シプロフロキサシンはCYP1A2阻害が有名です。CYP2C9阻害ではありません。
3:○ リファンピシンはCYP3A4を強力に「誘導」し、シクロスポリンの濃度を下げます。
4:× フルボキサミンはCYP1A2を「阻害」します。表の誘導という記述は誤りです。
5:○ パロキセチンはCYP2D6を阻害し、ノルトリプチリンの濃度を上げます。

問173

解答・解説

正答:2, 5

腎クリアランス(CLrCL_r)の計算: CLr=CLtot×feCL_r = CL_{tot} \times f_e

  • 障害前:75.0×0.92=69.0 mL/min75.0 \times 0.92 = 69.0 \text{ mL/min}
  • 障害後:40.0×0.85=34.0 mL/min40.0 \times 0.85 = 34.0 \text{ mL/min}

糸球体ろ過クリアランス(CLgfCL_{gf})の計算: CLgf=fp×GFRCL_{gf} = f_p \times GFR

  • 障害前:0.90×62.5=56.25 mL/min0.90 \times 62.5 = 56.25 \text{ mL/min}
  • 障害後:0.90×27.8=25.02 mL/min0.90 \times 27.8 = 25.02 \text{ mL/min}

腎外クリアランス(CLnrCL_{nr})は CLtot×(1fe)CL_{tot} \times (1 – f_e) で求められます。

  • 障害前:75.0×0.08=6.0 mL/min75.0 \times 0.08 = 6.0 \text{ mL/min}
  • 障害後:40.0×0.15=6.0 mL/min40.0 \times 0.15 = 6.0 \text{ mL/min}


1:× 糸球体ろ過クリアランスは fp × GFR で計算すると障害前で 56.25 です。62.5 ではありません。
2:○ 腎クリアランスが糸球体ろ過クリアランス(56.25)よりも大きいため(69.0)、尿細管分泌が関与しています。
3:× 分泌が関与しているため、再吸収されやすいという記述は不適切です。
4:× 腎クリアランスは 69.0 から 34.0 へと減少しています。変化しないは誤りです。
5:○ 腎外クリアランスを計算すると、障害の前後でともに 6.0 で一定です。

問174

解答・解説

正答:5
表より、半減期2時間。ke=0.3465。C0=20μg/mL。Vd=400/20=20L(半減期2hより投与2時間後血中濃度の倍が投与直後の血中濃度)。Css=5を維持する速度R0=ke×Vd×Css=34.65。最も近いのは35です。

問175

解答・解説

正答:3, 5
1:× AUC = 投与量/CL であり、分布容積Vdには依存しません。
2:× Css = 注入速度/CL です。CLが2倍になるとCssは「半分」になります。
3:○ 定常状態の50%に達する時間は半減期に比例するため、半減期が2倍なら時間も2倍です。
4:× AUCは吸収速度定数kaには依存しません。
5:○ 定常状態平均血中濃度はバイオアベイラビリティFに比例するため、Fが2倍なら濃度も2倍です。

問176

解答・解説

正答:5
v=VmaxCssKm+Css=720 mg/day2 mg/L4 mg/L+2 mg/L=14406=240 mg/dayv = \frac{V_{max} \cdot C_{ss}}{K_m + C_{ss}} = \frac{720\ \text{mg/day} \cdot 2\ \text{mg/L}}{4\ \text{mg/L} + 2\ \text{mg/L}} = \frac{1440}{6} = 240\ \text{mg/day}
80mg×3回投与で240mgとなるため、5が正解になります。

問177

解答・解説

正答:1, 4
1:○ 肝抽出率が高い(0.8)薬物では、Eh>0.7の為CLh=Qhと考えて良いため、肝クリアランスは肝血流量の変化の影響を顕著に受けます。
2:× 肝抽出率が高い場合、肝クリアランスは肝血流量に制限されるため、固有クリアランスの変化の影響は受けにくくなります。
3:× 抽出率が高い場合、蛋白結合率の変化の影響も受けにくくなります。
4:○ 肝クリアランス = 肝血流量(100) × 抽出率(0.8) = 80 L/h です。
5:× Eh=fpCLintQh+fpCLintE_h = \frac{f_p \cdot CL_{int}}{Q_h + f_p \cdot CL_{int}}より、0.8=0.1CLint100+0.1CLint80+0.08CLint=0.1CLint80=0.02CLintCLint=4000 L/h0.8 = \frac{0.1 \cdot CL_{int}}{100 + 0.1 \cdot CL_{int}} \implies 80 + 0.08 \cdot CL_{int} = 0.1 \cdot CL_{int} \implies 80 = 0.02 \cdot CL_{int} \implies CL_{int} = 4000\ \text{L/h}となります。

問178

解答・解説

正答:2, 4
1:× 飽和溶解度は結晶の最終到達濃度(約8μg/mL)です。
2:○ 点ア(25μg/mL)では全薬物が溶解しており、溶液は澄明です。
3:× 点イでは、非晶質由来の高濃度状態から安定な結晶へと転移・析出が進行しているため、存在している固相の薬物は「結晶」です。
4:○ 点イの濃度は結晶の溶解度(約8)を超えているため、過飽和状態にあります。
5:× 最終的に溶けているのが約8mgなので、析出している結晶は約17mgです。5mgではありません。

問179

解答・解説

正答:2, 5
1:× 良溶媒中では高分子鎖が広がるため粘度が高くなります。貧溶媒中では低くなります。
2:○ イオン性高分子は電荷の反発で分子鎖が広がるため、非イオン性より粘度が高くなります。
3:× 塩を添加すると電荷が遮蔽され、溶解性が下がる(塩析)傾向にあります。
4:× 両性高分子は、等電点付近で分子鎖が最も丸まるため、粘度は「最小」になります。
5:○ 良溶媒溶液に貧溶媒を加えると、高分子に富んだ相が分離するコアセルベーションが生じます。

問180

解答・解説

正答:2, 4
1:× 界面活性剤は表面張力を下げる「正吸着」を示します。
2:○ 曲線Aは可溶化量、Bは表面張力を示しています。
3:× CMC(X)より低い濃度では単分子として存在します。すべてミセルではありません。
4:○ CMC以上では表面への吸着が飽和するため、吸着量は一定となります。
5:× 水中では疎水基を「内側」、親水基を「外側」にしたミセルが形成されます。記述は逆です。

問181

解答・解説

正答:5

TST_S (最大粒子の沈降時間): グラフ 1 より最大粒子径 dmax=60 μmd_{max} = 60\ \mu\text{m} です。問題文より TS=1T_S = 1 時間とされています。

T50%T_{50\%} (積算分布 50% の粒子の沈降時間): グラフ 1 の黒点より、積算分布 50% に相当する粒子径 d50=30 μmd_{50} = 30\ \mu\text{m} です。沈降時間は 1 h×(6030)2=41 \text{ h} \times (\frac{60}{30})^2 = 4 時間となります。

TET_E (最小粒子の沈降時間): グラフ 1 より最小粒子径 dmin=15 μmd_{min} = 15\ \mu\text{m} です。沈降時間は 1 h×(6015)2=161 \text{ h} \times (\frac{60}{15})^2 = 16 時間となります。

また、t=4 ht = 4\ \text{h} のとき:dlimit=30 μmd_{limit} = 30\ \mu\text{m}。グラフ 1 より F(30)=50%F(30) = 50\% なので、濃度は 12×0.5=6 mg/10 mL12 \times 0.5 = 6\ \text{mg/10 mL} です。
1:× 沈降時間は粒子径の2乗に反比例します。計算上、積算50%の沈降時間は4時間、最小粒子の沈降時間は16時間となります。グラフ1はこれと矛盾します。
2:× 最小粒子の沈降時間TET_Eが16時間ではないため誤りです。
3:× 最大粒子の沈降開始時間やTET_Eが計算値と一致しません。
4:× 4時間時点での濃度が「8」となっていますが、積算50%(濃度6)であるべきなので誤りです。
5:○ 最大粒子が通過する1時間から濃度が減り始め、4時間で濃度6(50%)、16時間で濃度0(最小粒子通過)となるこのグラフが正解です。

問182

解答・解説

正答:3
1:× チンキ剤は生薬をエタノール等で浸出したものです。
2:× ローション剤は皮膚に塗布する外用液剤です。
3:○ エリキシル剤は、甘味と芳香があり、エタノールを含む澄明な経口液剤です。ジゴキシンエリキシルが代表例です。
4:× リニメント剤は皮膚にすり込む外用液剤です。
5:× シロップ剤は糖類等を含む液剤ですが、エタノールを含み澄明である本剤はエリキシル剤がより適切です。

問183

解答・解説

正答:3, 4
1:× 装置ア(流動層造粒機)は粉砕機能は持ちません。
2:× 装置イ(攪拌造粒機)で得られるのは円柱状ではなく、球状に近い重質な粒子です。
3:○ 装置ウ(破砕造粒機)は水や熱を使わない乾式造粒のため、これらに不安定な薬物に適します。
4:○ 装置エ(噴霧乾燥造粒機)は噴霧乾燥により、液滴の形状を反映した球状の粒子が得られます。
5:× 装置オ(押し出し造粒機)で得られるのは円柱状の造粒物です。軽質で不定形ではありません。

問184

解答・解説

正答:2, 5
1:× 薬物コアを膜で覆った「リザーバー型」製剤です。マトリックス型ではありません。
2:○ 固体薬物が残存している間は膜内外の濃度差が一定に保たれるため、0次放出(一定速度での放出)となります。
3:× 固体が残っている間、膜内の溶解濃度は飽和濃度で一定に保たれます。減少はしません。
4:× 放出速度は膜の厚み(h)に「反比例」します。比例ではありません。
5:○ 球形粒子の表面積は半径の2乗に比例するため、放出面積Sも半径の2乗に比例します。

問185

解答・解説

正答:2, 5
1:× 腎盂腎炎は感染症であり、膿尿や血尿を伴うことが多いです。
2:○ 微小変化群(MCD)は、高度なタンパク尿を呈しますが、血尿は通常伴いません。
3:× ループス腎炎は糸球体炎症を伴うため、血尿が見られます。
4:× 半月体形成性糸球体腎炎は強い炎症を伴い、顕著な血尿(赤血球円柱など)が見られます。
5:○ 糖尿病性腎症は、タンパク尿が主症状であり、血尿は伴わないのが一般的です。

問186

解答・解説

正答:1, 5
1:○ チアマゾールの重大な副作用として、無顆粒球症(白血球減少)が知られています。
2:× 人免疫グロブリン製剤が皮膚粘膜眼症候群(SJS)の代表的な原因になることはありません。
3:× メチルプレドニゾロンは間質性肺炎の「治療」に用いられます。原因ではありません。
4:× メスナは出血性膀胱炎を「予防」する薬です。
5:○ ミノドロン酸(ビスホスホネート薬)は、副作用として顎骨壊死を引き起こすことがあります。

問187

解答・解説

正答:5
1:× シアナミドは飲酒時に不快な症状を起こさせる抗酒薬です。飲酒欲求を抑えるのはアカンププロサートです。
2:× アカンププロサートは飲酒欲求を抑える薬です。不快症状を誘発するのはシアナミド等です。
3:× メタノールは有毒であり、治療には絶対に使用しません。
4:× ナルメフェンは断酒ではなく「減酒(飲酒量の低減)」を目的とした薬です。
5:○ ロラゼパム(ベンゾジアゼピン系)は、アルコール離脱症状(震えやせん妄など)の緩和に用いられます。

問188

解答・解説

正答:1
1:○ 妊娠中の高血圧に対し、メチルドパで不十分な場合はニフェジピン(カルシウム拮抗薬)が追加薬として選択されます。
2:× ジルチアゼムは妊娠中の高血圧治療における優先順位は高くありません。
3:× ACE阻害薬(エナラプリル)は胎児への毒性があるため、妊婦には禁忌です。
4:× ARB(テルミサルタン)は胎児への毒性があるため、妊婦には禁忌です。
5:× レナリドミドは催奇形性があるため、妊婦には禁忌です。

問189

解答・解説

正答:1, 5
1:○ シェーグレン症候群では、自己抗体である抗SS-A抗体が陽性になることが多いです。
2:× 涙腺や唾液腺以外にも、間質性肺炎や腎障害などの腺外症状が現れることがあります。
3:× 本疾患は40〜60代の中年「女性」に多く見られます。
4:× アトロピンは唾液分泌を抑える(ドライマウスを悪化させる)ため、使用されません。
5:○ ドライアイに対する基本的な対症療法として、人工涙液による点眼が行われます。

問190

解答・解説

正答:2, 4
1:× リどカインは心室性不整脈に用います。心房細動には使いません。
2:○ β遮断薬は房室結節の伝導を抑え、心房細動時の心拍数を調節(レートコントロール)するために用いられます。
3:× WPW症候群合併の心房細動にジゴキシンを使うと、副伝導路の伝導が速まり危険なため禁忌です。
4:○ カテーテルアブレーションは、心房細動の根治や再発予防のための非薬物療法です。
5:× 脳塞栓予防には、抗血小板薬(アスピリン)ではなく、抗凝固薬(ワルファリンやDOAC)を用います。

問191

解答・解説

正答:4, 5
1:× バセドウ病(甲状腺機能亢進症)では、コレステロール値は「低下」します。
2:× 甲状腺ホルモンによる負のフィードバックで、TSH(甲状腺刺激ホルモン)は「低値」となります。
3:× CK高値は甲状腺機能低下症の特徴です。
4:○ 甲状腺機能亢進により骨代謝が早まるため、骨由来のALPが高値となります。
5:○ バセドウ病の原因である自己抗体、抗TSH受容体抗体(TRAb)が陽性となります。

問192

解答・解説

正答:2, 5
1:× TNM分類の評価基準は、がんの原発部位(胃、肺など)によって異なります。
2:○ T(Tumor)は原発腫瘍の大きさや浸潤度を示します。
3:× N(Node)は所属リンパ節転移を示します。遠隔転移はMです。
4:× M(Metastasis)は遠隔転移を示します。リンパ節転移はNです。
5:○ T、N、Mの組み合わせによって、臨床病期(ステージ)が決まります。

問193

解答・解説

正答:1, 5
1:○ 八味地黄丸は、高齢者の排尿困難や頻尿などの泌尿器症状に用いられます。
2:× 牛車腎気丸はしびれやむくみ等に用いられます。
3:× 六君子湯は胃腸虚弱や食欲不振に用いられます。感冒ではありません。
4:× 麻黄湯は風邪の初期やインフルエンザに用いられます。機能性ディスペプシアではありません。
5:○ 加味逍遙散は、イライラやのぼせ等の更年期障害の症状に広く用いられます。

問194

解答・解説

正答:1, 4
1:○ 遺伝子治療は、先天的な病気だけでなく、がんや感染症などの後天的疾患も対象となります。
2:× ウイルス(アデノ随伴ウイルスなど)をベクターとして用いるのは、現在の一般的な手法です。
3:× 治療用遺伝子を入れるだけで、患者の全ゲノム情報が分かるわけではありません。
4:○ CAR-T療法は、患者のT細胞に遺伝子を導入してがんを攻撃させる、代表的な遺伝子治療です。
5:× 次世代への影響を考慮し、生殖細胞への遺伝子導入は国際的に禁止されています。

問195

解答・解説

正答:2, 5
1:× メタアナリシスの統合には、通常、重み付け平均などが用いられます。相乗平均ではありません。
2:○ メタアナリシスは、個別の臨床研究(症例対照研究など)を統合したものであり、エビデンスレベルが最も高いです。
3:× 相反する結果の研究も含めて統合し、客観的な結論を出すのがメタアナリシスの役割です。
4:× 統合結果を示すのはフォレストプロットです。ファンネルプロットは出版バイアスの検出用です。
5:○ 有意な結果だけが公表されやすい「出版バイアス」を考慮する必要があります。

※万が一誤りがあった場合、その結果については責任を負いかねますので、予めご了承ください。

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