【解説付き】111回薬剤師国家試験 問1~問90 必須 解答解説

問1

解答
正答: 5
解説: 水(密度約1.0g/cm³)と混和せず二層に分かれる有機溶媒のうち、水層が上層になるということは、その有機溶媒の密度が水よりも大きいことを意味します 。選択肢の中で水より密度が大きいのはクロロホルム(密度約1.49g/cm³)のみです 。
他の溶媒(ジエチルエーテル、1-オクタノール、n-ヘキサン、トルエン)はすべて水より軽いため上層になります 。
問2

解答
正答: 5
解説: イオン強度Iを求める定義式は、解答のとおりです。
問3

解答
正答: 1
解説: 反応速度定数kと絶対温度 Tの関係を示すアレニウスの式 は下記の通りです。

両辺の自然対数をとると下記のとおりになります。

したがって、縦軸にln k、横軸に1/Tをプロットすると、傾きが負の直線(傾きが-Ea/R)になります 。
問4

解答
正答: 2
解説: 吸光度Aと透過率Tには下記の関係式があります。

このときT=10となります。また,

なので、I:I0=10:1となり、透過率は0.1なので、10%となる。
問5

解答
正答: 4
解説: 分析における「真度」と「精度」の概念を問う問題です 。
- 真度(Trueness): 多数の測定値の「平均値」が、真の値(ここでは100.0)にどれだけ近いかを示します。
- 精度(Precision): 多数の測定値の「ばらつき」がどれだけ小さいかを示します。 ヒストグラムを見ると、4のグラフが100.0を中心に最も狭い範囲に密集して分布しているため、真度・精度ともに最も高いと言えます 。
問6

解答
正答: 2
解説: 医薬品の塩基性官能基を中和して塩を形成する際に用いられる「ベシル酸」の化学構造を問う問題です 。ベシル酸の正式な化学名は「ベンゼンスルホン酸(Benzenesulfonic acid)」であり、ベンゼン環にスルホ基(-SO3H)が結合した構造を持ちます 。選択肢の中でこの構造に該当するものが正解となります。
問7

解答
正答: 1
解説: ラジカル分子である一酸化窒素(NO)のルイス構造式を選択する問題です 。窒素(価電子数5)と酸素(価電子数6)からなるNOは、分子全体で合計11個の価電子を持ちます。すべての電子を対(ペア)にすることはできないため、不対電子(ラジカル)が1つ生じます。窒素と酸素が二重結合で結ばれ、電気陰性度の小さい窒素原子上に不対電子が配置された構造が正しいルイス構造式となります 。
問8

解答
正答: 3
解説: 二重結合の幾何異性体において「E配置」のものを判定する問題です 。 二重結合を構成するそれぞれの炭素原子において、結合している2つの置換基の優先順位を決めます(原子番号が大きいものほど優先順位が高い)。
それぞれの炭素における「優先順位が高い置換基同士」が、二重結合を挟んで反対側(トランス側)にあるものがE配置(Entgegen)、同じ側(シス側)にあるものがZ配置(Zusammen)です。
問9

解答
正答: 3
解説: 化合物の「芳香族性」の有無を判定する問題です 。
芳香族性を示すためには、ヒュッケル則(Hückel’s rule)を満たす必要があります。具体的には、「環状構造であること」「平面構造であること」「環を構成するすべての原子が連続したπ電子系(sp2混成など)でつながっていること」、そして「 π電子の数が4n+2個(2, 6, 10…個)であること」が条件です。 π電子が4n個のものや、途中にsp3炭素があって共役が途切れている環状化合物は芳香族性を示しません。
問10

解答
正解:3
解説:この化合物は、グレープフルーツなどの柑橘類に含まれるベルガモッティン (Bergamottin) です。 三環性の骨格部分は、クマリン環にフラン環が縮合した「フラノクマリン」構造をしています。
問11

解答
正答: 4
解説: ヒト男性の泌尿器及び生殖器の図において、膀胱の真下に位置し、尿道を取り囲んでいる器官が前立腺(4番)です 。ちなみに1は精巣、2は精巣上体、3は尿道球腺(カウパー腺)、5は精のうを示しています 。
問12

解答
正答: 2
解説: ペントースリン酸回路において、NADPHを産生する重要な段階の一つは、グルコース6-リン酸脱水素酵素によって触媒される「グルコース6-リン酸」から6-ホスホグルコノラクトンへの酸化反応です 。
問13

解答
正答: 3
解説: 一次(中枢)リンパ器官は、リンパ球が産生され、抗原特異的な受容体を獲得して分化・成熟する器官であり、「骨髄」と「胸腺」が該当します 。脾臓、リンパ節、扁桃、バイエル板などは、成熟したリンパ球が抗原と出会い免疫応答を起こす二次(末梢)リンパ器官です 。
問14

解答
正答: 4
解説: ヒトなどの動物細胞の細胞膜に含まれる主要なステロールはコレステロールですが、真菌(カビや酵母など)の細胞膜には特異的に「エルゴステロール」が含まれています 。アゾール系などの多くの抗真菌薬は、このエルゴステロールの生合成を阻害することで薬効を示します 。
問15

解答
正答: 4
解説: 生物種ごとに1セットとして定義される、すべての核酸(DNAなど)上の遺伝情報の全体を「ゲノム(genome)」と呼びます 。
問16

解答
正答: 3
解説: 疾病の予防は以下の3段階に分類されます。
- 一次予防(発生の防止・健康増進): 禁煙教室 、予防接種 など。
- 二次予防(早期発見・早期治療): 健常者のがん検診 、抗HIV抗体検査 など。
- 三次予防(悪化防止・リハビリテーション): 在宅機能訓練 がこれに該当します。発症後の機能維持や社会復帰を目的とします。
問17

解答
正答: 1
解説: 新生児マススクリーニングの対象疾患 の中で、陽性者発見率が最も高いのは**先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)**です 。おおよそ出生児2,000〜3,000人に1人の割合で発見されます。フェニルケトン尿症 やガラクトース血症 など他の対象疾患は、数万人に1人程度の発見率です。
問18

解答
正答: 2
解説: ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏によって引き起こされる中枢神経疾患です 。アルコール依存症患者などに多く見られます。
問19

解答
正答: 3
解説: 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、生活習慣病の予防を目的として「摂取量を増やすことを目指す」目標量が設定されているのはカリウムです 。カリウムはナトリウムの排泄を促し、高血圧の予防に寄与します。逆に、ナトリウムは「摂取量を減らすことを目指す」目標量(食塩相当量として)が設定されています 。
問20

解答
正答: 2
解説: ドコサヘキサエン酸(DHA)は、青魚などに多く含まれるn-3系(オメガ3)の多価不飽和脂肪酸です 。適量の摂取は血中トリグリセリドの低下や血小板凝集抑制作用をもたらし、冠動脈疾患や心不全の予防に寄与します。ステアリン酸 やパルミチン酸 は飽和脂肪酸、エライジン酸 はトランス脂肪酸であり、過剰摂取は心疾患のリスクを高めます。
問21

解答
正答: 5
解説: スイセンによる食中毒の原因物質は、アルカロイドの一種であるリコリンなどです 。スイセンの葉をニラと、球根をタマネギと間違えて誤食する事故が頻発しています。
- 1 アコニチン: トリカブトの毒成分。
- 2 アミグダリン: 未熟なウメや青梅の種子に含まれる青酸配糖体。
- 3 コルヒチン: イヌサフランの毒成分(ギョウジャニンニクと誤認しやすい)。
- 4 チャコニン: ジャガイモの芽や緑化した皮に含まれる毒成分。
問22

解答
正答: 5
解説: ヒトのカタラーゼは、生体内で発生した過酸化水素(活性酸素種の一つ)を水と酸素に分解する酵素です 。この酵素の活性中心には鉄(ヘム鉄)が存在します 。
- モリブデン :キサンチンオキシダーゼなど。
- 亜鉛・銅 :細胞質スーパーオキシドジスムターゼ(Cu/Zn-SOD)など。
- セレン :グルタチオンペルオキシダーゼ。
問23

解答
正答: 4
解説: ヒドロキソコバラミン(ビタミンB12の一種)は、シアン化カリウム(青酸カリ)などのシアン化物中毒に対する解毒薬として用いられます 。シアン化物イオンと結合して無毒なシアノコバラミンとなり、尿中へ排泄されます。
問24

解答
正答: 4
解説: モントリオール議定書の「キガリ改正」で新たに規制対象となったのはハイドロフルオロカーボン(HFC:代替フロン)です 。HFCは塩素を持たないためオゾン層破壊作用はありませんが 、非常に強力な温室効果ガスであるため、地球温暖化抑制の観点から生産・消費の段階的削減が義務付けられました 。
問25

解答
正答: 2
解説: 水質汚濁防止法において、健康項目(人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質)のうち、排水基準が「検出されないこと」と厳しく規定されているのはアルキル水銀化合物です 。
問26

解答
正答: 1
解説:1
1:Giタンパク質と共役し、アデニル酸シクラーゼを抑制します。
2:Gqタンパク質と共役します。
3:イオンチャネル内蔵型(Cl-チャネル)受容体です。
4:Gsタンパク質と共役します。
5:インスリン受容体は、チロシンキナーゼ関連型受容体です。
問27

解答
正答: 1
解説: リドカインはアミド型の局所麻酔薬です。神経細胞膜の電位依存性Naチャネルを細胞の内側から遮断することで、Na+の細胞内流入を抑えて活動電位の発生を抑制し、知覚神経の伝導を遮断します 。
問28

解答
正答: 4
解説: ミダゾラムはベンゾジアゼピン系の静脈麻酔薬です 。GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAによるCl-チャネル開口作用をアロステリックに増強することで中枢抑制(麻酔・鎮静作用)を示します 。
問29

解答
正答: 4
解説: リスペリドンは、ドパミンD2受容体遮断作用に加えて、セロトニン5-HT2A受容体遮断作用を併せ持つ非定型抗精神病薬(SDA:セロトニン・ドパミン・アンタゴニスト)です 。5-HT2A受容体を遮断することで黒質線条体経路のドパミン遊離が促進されるため、ハロペリドールなどの定型抗精神病薬に比べて錐体外路症状(パーキンソン症候群など)が発現しにくいという特徴があります 。
問30

解答
正答: 2
解説: レベチラセタムは、神経末端に存在するシナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に特異的に結合し、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することで抗てんかん作用を示します 。
問31

解答
正答: 5
解説: ジモルホラミンは、延髄の呼吸中枢を直接刺激して呼吸を促進する呼吸興奮薬です 。チペピジンやオキシメテパノールは鎮咳薬、レバロルファンはオピオイド受容体拮抗薬、フルマゼニルはベンゾジアゼピン受容体拮抗薬です。
問32

解答
正答: 4
解説: ピルシカイニドは、Vaughan Williams分類のIc群に属する抗不整脈薬です 。Naチャネル遮断作用が強力ですが、Kチャネルにはほとんど作用しないため、心筋の活動電位持続時間(APD)には影響を及ぼしません 。
- Ia群(シベンゾリン、ジソピラミド、キニジン):Naチャネル遮断+Kチャネル遮断により、APDを延長させます 。
- Ib群(メキシレチン):Naチャネル遮断作用は弱く、APDを短縮させます 。
問33

解答
正答: 3
解説: ミドドリンはプロドラッグであり、体内で活性代謝物(デスグリミドドリン)に変換された後、末梢の交感神経α1受容体を直接刺激して血管を収縮させます 。これにより血圧を上昇させ、起立性低血圧を改善します 。
問34

解答
正答: 4
解説: プラスグレルは、血小板のADP受容体であるP2Y12受容体を非可逆的に遮断することで、血小板の凝集を強力に抑制するチエノピリジン系の抗血小板薬です 。
問35

解答
正答: 3
解説: リトドリンは、子宮平滑筋のアドレナリンβ2受容体を選択的に刺激します 。これによりアデニル酸シクラーゼが活性化されて細胞内cAMPが増加し、子宮平滑筋が弛緩するため、切迫流産や早産の治療(子宮収縮の抑制)に用いられます 。
問36

解答
正答: 3
解説: エロビキシバットは、回腸末端部にある胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制します 。これにより大腸へ移行する胆汁酸量が増加し、大腸での水分分泌や消化管運動が促進されることで便秘が改善します 。
問37

解答
正答: 3
解説: エボロクマブは、PCSK9(プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)に結合する完全ヒト型モノクローナル抗体です 。PCSK9の働きを阻害することで肝細胞表面のLDL受容体の分解が抑制され、血液中のLDLコレステロールの取り込みが促進されるため、強力な脂質低下作用を示します 。
問38

解答
正答: 4
解説: プロピルチオウラシルは、甲状腺ペルオキシダーゼを阻害することで、チログロブリンのチロシン残基のヨウ素化およびヨードチロシンの縮合反応を阻害し、甲状腺ホルモン(T3、T4)の生合成を抑制します 。甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の治療薬です。
問39

解答
正答: 1
解説: アシクロビルは抗ヘルペスウイルス薬です 。感染細胞に侵入後、ウイルスが持つ特異的なチミジンキナーゼによって一リン酸化され、その後宿主細胞の酵素で三リン酸化されて活性体となります 。これがウイルスのDNAポリメラーゼを阻害し、DNA鎖の伸長を停止させて増殖を抑えます 。
問40

解答
正答: 2
解説: アナストロゾールは、副腎皮質由来のアンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素であるアロマターゼを選択的に阻害します 。これによりエストロゲンの生合成が抑制されるため、閉経後乳がんの治療に用いられます 。
問41

解答
正答: 4
解説: 構造式は、パーキンソン病治療薬のL-DOPA(レボドパ)です。L-DOPAはアミノ酸の骨格を持っているため、血液脳関門(BBB)を通過する際には、中性アミノ酸トランスポーターであるLAT1を利用して脳内に移行します。
問42

解答
正答: 5
解説: 肝初回通過効果(吸収された薬物が全身循環に入る前に肝臓で代謝を受けること)の影響を最も受けるのは、消化管(胃や小腸)から吸収されて門脈を経由する経口投与製剤です。
口腔内崩壊錠は口の中で溶けますが、唾液とともに飲み込まれて消化管から吸収されるため、通常の錠剤と同様に肝初回通過効果を受けます。
一方、坐剤(直腸下部)、点鼻剤、吸入剤、舌下錠は、門脈を経由せずに直接全身循環に入るため、初回通過効果を回避(または軽減)できます。
問43

解答
正答: 4
解説: 限外ろ過法は、特殊なフィルターに圧力をかけ、タンパク質などの高分子と、それに結合していない低分子(非結合型薬物)を分離する手法です。
これにより、血漿中のタンパク質に結合している薬物と遊離している薬物の割合、すなわち血漿タンパク結合率を算出することができます。
問44

解答
正答: 5
解説: 薬物代謝酵素であるシトクロムP450(CYP)は、主に肝細胞などの小胞体(滑面小胞体)の膜に局在しています。ミクロソーム画分と呼ばれる遠心分離で得られる沈殿物に多く含まれます。
問45

解答
正答: 3
解説: イヌリンは、糸球体で自由にろ過されますが、尿細管での分泌も再吸収も全く受けない物質です。そのため、糸球体でろ過された直後の原尿中の濃度(C原尿)は、血漿中濃度(Cp)と等しくなります(Cp = C原尿)。その後、尿細管を通過する過程で水分が再吸収されるため、最終的に排泄される尿中のイヌリン濃度(C尿)は濃縮されて高くなります。したがって、Cp = C原尿 < C尿 の関係となります。
問46

解答
正答: 3
解説: 消失半減期(t1/2)が6時間の薬物を、半減期と同じ6時間間隔で静脈内投与するシミュレーションです。 初回投与直後の最高血中濃度を「1」とすると、以下のようになります。
1回目投与直後:1
2回目投与直前(6時間後):半減期により半分の 0.5 になる
2回目投与直後:0.5 + 1(追加分) = 1.5
3回目投与直前(さらに6時間後):1.5の半分で 0.75 になる
3回目投与直後:0.75 + 1(追加分) = 1.75 よって、初回投与時の1.75倍になるのは3回目投与直後です。
問47

解答
正答: 4
解説: フェニトインは、臨床用量の範囲内で代謝酵素が飽和しやすく、投与量と血中濃度が比例しない「非線形性(ミカエリス・メンテン型)」の体内動態を示します。少しの増量で血中濃度が急激に上昇して中毒を起こす恐れがあるため、厳密なTDM(薬物血中濃度モニタリング)が必要です。
問48

解答
正答: 5
解説: 粉末X線回折測定において、結晶質の薬物は規則正しい原子配列を持つため、鋭いピーク(回折角)を示します(図の1、2、3、4)。一方、非晶質(アモルファス)は規則正しい配列を持たないため、図の5のようにピークのない、なだらかで幅の広いパターン(ハローパターン)を示します。
問49

解答
正答: 5
解説: 抗酸化剤のうち、α-トコフェロール(ビタミンE)は親油性(脂溶性)であり、油脂の酸化防止などに用いられます。
アスコルビン酸(ビタミンC)、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどは水溶性の抗酸化剤です。
ちなみに脂溶性ビタミンはD,A,K,Eのみになります。
問50

解答
正答: 3
解説: 医薬品の原薬を微粉砕して粒子径を小さくすると、粉体全体の表面積(比表面積)が増大します。Noyes-Whitneyの式にも示される通り、表面積が大きくなると溶媒と接する面積が増えるため、薬物の溶解性(溶解速度)が増大します。
問51

解答
正答: 1
解説: 軟膏剤の基剤分類についての問題です。流動パラフィンは炭化水素類であり、代表的な油脂性基剤の一つです。 (親水クリームはO/W型乳剤性基剤、加水ラノリンはW/O型乳剤性基剤、マクロゴール軟膏は水溶性基剤、親水ワセリンは吸水性軟膏基剤に分類されます)。
問52

解答
正答: 3
解説: 日本薬局方の製剤総則において、気管支・肺に適用する製剤(吸入剤)には、固形製剤(粉末吸入剤)、液状製剤(吸入液剤)、およびエアゾール製剤(吸入エアゾール剤)のすべてが含まれています。経口投与や注射剤にはエアゾール製剤は含まれません。
問53

解答
正答: 5
解説: 図の装置は、傾斜させた斜面の上からボールを転がし、試験片(粘着テープや貼付剤など)上でボールが停止するまでの距離等を測定する「傾斜式ボールタック試験装置」です。これは貼付剤などの粘着力試験法に用いられます。
問54

解答
正答: 1
解説: スパスタブ(スパンスル)型製剤とは、溶解速度の異なる複数の顆粒(速溶性顆粒と徐放性顆粒など)を混合して、ひとつの硬カプセルに充填した構造の製剤です。図の中でこの構造を表しているのは1です。
問55

解答
正答: 4
解説: ポリエチレングリコール修飾リポソーム製剤(ドキシルなど)は、受動的ターゲティングの代表例です。PEGで表面を修飾することで血中滞留性を高め、がん組織などの新生血管の隙間(透過性が亢進している部分)から漏れ出し、リンパ系による回収が未発達な組織に自然と集積する「EPR効果」を利用しています。
問56

解答
正答: 5
解説: 統合失調症治療薬のうち、オランザピン やクエチアピンは、著しい血糖値の上昇から糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡に至るおそれがあるため、糖尿病の患者または糖尿病の既往歴がある患者には禁忌とされています。選択肢の中で統合失調症治療薬であり、かつ糖尿病合併患者に使用できるのはルラシドン塩酸塩 です。なお、セルトラリン塩酸塩 、クロミプラミン塩酸塩 、ミルナシプラン塩酸塩 は抗うつ薬です。
問57

解答
正答: 4
解説: サクビトリルバルサルタン (アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬:ARNI)は、ACE阻害薬と併用すると、ブラジキニンの分解が著しく抑制され、重篤な血管浮腫のリスクが増大するため併用禁忌です。ACE阻害薬から切り替える場合は、ACE阻害薬の最終投与から36時間以上あける必要があります。
問58

解答
正答: 1
解説: 心室の収縮期には、通常は僧帽弁が閉じて血液が左心房へ逆流するのを防ぎ、大動脈弁が開いて全身へ血液を送り出します。しかし、僧帽弁の閉鎖が不完全だと、収縮期に左心室から左心房へ血液が逆流してしまいます 。この病態を僧帽弁閉鎖不全症と呼びます 。
問59

解答
正答: 5
解説: 血友病は、血液凝固第VIII因子(血友病A)または第IX因子(血友病B)の欠乏・異常により出血傾向を示す疾患です 。これらは内因系の凝固因子であるため、内因系の凝固能を評価する活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が延長します 。外因系のプロトロンビン時間(PT) や、一次止血を反映する出血時間 、血小板数 は通常正常です。
問60

解答
正答: 1
解説: A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)による咽頭炎や扁桃炎などに感染してから1〜3週間後に、免疫複合体が糸球体に沈着して急激に発症する腎疾患を、急性糸球体腎炎(急性腎炎症候群)と呼びます 。また、同じく溶連菌感染後に続発する疾患としてリウマチ熱も重要です。
問61

解答
正答: 4
解説: クロストリディオイデス・ディフィシル(CD)腸炎(偽膜性大腸炎) の主な治療薬には、バンコマイシン(経口投与)、メトロニダゾール 、フィダキソマイシンがあります。
問62

解答
正答: 5
解説: 妊娠中の糖尿病(妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠) では、経口血糖降下薬(スルホニル尿素薬など )は胎盤を通過し、胎児の低血糖や催奇形性の懸念があるため原則禁忌です。そのため、胎盤を通過しないインスリン製剤 を用いて厳格な血糖コントロールを行います。
問63

解答
正答: 1
解説: クッシング症候群 は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されることで生じます。特徴的な身体症状として、満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満、野牛肩(バッファローハンプ) 、皮膚の菲薄化などが認められます。また、高血糖(低血糖ではない )や高血圧(低血圧ではない )を合併しやすくなります。
問64

解答
正答: 4
解説: 加齢黄斑変性(滲出型) の原因となる網膜の脈絡膜新生血管の発生・進展には、血管内皮増殖因子(VEGF)が深く関与しています。そのため、抗VEGF薬であるアフリベルセプト やラニビズマブなどを硝子体内に注射する治療が行われます。
問65

解答
正答: 2
解説: 腸管出血性大腸菌(O157など) が産生するベロ毒素が血中に移行すると、血管内皮細胞が破壊されます。これに続発して、溶血性貧血、血小板減少、急性腎障害を三徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS) を引き起こし、重篤化することがあります。
問66

解答
正答: 3
解説: フィラデルフィア(Ph)染色体 は、慢性骨髄性白血病(CML)や一部の急性リンパ性白血病(ALL)でみられる異常な染色体で、BCR-ABL融合遺伝子を形成し、異常なチロシンキナーゼを産生します。このPh染色体陽性の白血病に対しては、ABLチロシンキナーゼ阻害薬であるダサチニブ やイマチニブなどが用いられます。
問67

解答
正答: 3
解説: 前立腺がん の増殖は男性ホルモン(アンドロゲン)に依存しているため、ホルモン療法(内分泌療法)が基本となります。デガレリクス はGnRHアンタゴニストであり、下垂体のGnRH受容体を遮断することでゴナドトロピン(LH、FSH)の分泌を即座に抑制し、テストステロンの産生を抑えて抗腫瘍効果を示します。
問68

解答
正答: 2
解説: カルペリチド は、遺伝子組換え技術により製造されたヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)製剤 です。血管平滑筋および腎臓の受容体に結合して細胞内cGMPを増加させ、強力な血管拡張作用と利尿作用を示すことで、急性心不全の血行動態を改善します 。
問69

解答
正答: 2
解説: 症例対照研究 は、すでに疾病を発症している「症例群」と、発症していない「対照群」を後ろ向きに比較し、過去の要因への曝露を調べる研究デザインです。集団全体の発生率(罹患率)を直接求めることができないため、相対リスク(リスク比) は計算できません。代わりに、曝露の有無による見込みの比であるオッズ比 を算出して関連の強さを評価します。
問70

解答
正答: 5
解説: ペムブロリズマブは、T細胞上のPD-1に結合して免疫抑制シグナルを阻害する抗PD-1抗体(免疫チェックポイント阻害薬)です 。この薬の治療効果を予測するため、がん細胞側が発現しているリガンドであるPD-L1タンパク質 の発現率(TPSなど)をコンパニオン診断薬(免疫組織化学染色法など)を用いて事前に検査します 。
問71

解答
正答: 1
解説: 医薬品医療機器等法(薬機法)第7条第1項において、「薬局の管理者は、薬剤師でなければならない」と定められています 。一方で、薬局の開設者や、医薬品製造販売業者の総括製造販売責任者・品質保証責任者・安全管理責任者などは、要件を満たせば必ずしも薬剤師である必要はありません 。
問72

解答
正答: 4
解説: 薬剤師綱領(昭和48年制定)の前文には、「薬剤師は国から付託された資格に基づき、医薬品の製造、調剤、供給において、その固有の任務を遂行することにより、医療水準の向上に資することを本領とする」と明記されています 。
問73

解答
正答: 3
解説: 亜急性脊髄視神経症(SMON:スモン)は、整腸剤として販売されていたキノホルム製剤の服用によって引き起こされた薬害です 。サリドマイドはアザラシ肢症 、ソリブジンは抗がん剤(5-FU系)との致死的な相互作用による骨髄抑制 、ペニシリンはアナフィラキシーショックが大きな薬害・副作用問題となりました 。
問74

解答
正答: 1
解説: 医療法第1条の4第2項の条文です。これは「インフォームド・コンセント(説明と同意)」の理念を法的に明文化したものであり、「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない」と定められています 。
問75

解答
正答: 4
解説: 日本薬局方の「医薬品各条」には、各医薬品の品質の適正を図るため、名称、構造式、分子量、含量規定、性状、確認試験、純度試験、定量法などが記載されています 。用法・用量、効能・効果、副作用、相互作用などは、添付文書(注意事項等情報)の記載項目であり、日本薬局方には記載されません 。
問76

解答
正答: 5
解説: 特定生物由来製品(血液製剤など)は感染症伝播のリスクがあるため、医療機関の管理者は患者への投与記録を20年間保存する義務があります。記録事項は「患者の氏名および住所」「製品の名称」「製造番号または製造記号」「投与した年月日」です 。製品を購入した卸売販売業者の名称は、医療機関側の投与記録には含まれません (卸売業者が譲り渡し記録として保存します)。
ちなみに、生物由来製品の承認取得者(製造販売業者)は特定生物由来製品に関する記録は出荷した日から起算して少なくとも30年は保存しておかなければなりません。
問77

解答
正答: 5
解説: メチルフェニデートは、中枢神経刺激作用を持つため、麻薬及び向精神薬取締法における「第一種向精神薬」に指定されています 。
- 1 フェンタニル:麻薬
- 2 ジアゼパム:第三種向精神薬
- 3 セレギリン:覚せい剤原料
- 4 メタンフェタミン:覚醒剤
問78

解答
正答: 3
解説: 薬価基準の改定(薬価改定)の基礎資料とするために行われる「薬価調査(市場実勢価格の調査)」は、主として卸売販売業者から保険薬局や医療機関等への販売価格(納入価)を対象として実施されます 。図式において卸売販売業者から保険薬局への流れを示す「C」の取引がこれに該当します 。
問79

解答
正答: 3
解説: 近年の日本の国民医療費の財源別割合は、おおよそ以下の通りです 。
- 保険料:約50%(約49%前後)
- 公費(国や地方の負担):約40%(約38〜39%)
- その他(患者の窓口負担など):約10%(約11〜12%) したがって、公費の割合である「A」に最も近い数値は40%となります 。
問80

解答
正答: 2
解説: 医療従事者と患者との間に築かれる「互いに信頼感で結ばれている関係(心が通い合っている状態)」を示す心理学・コミュニケーション用語はラポールです 。
- レディネス:学習や行動を起こすための心身の準備状態 。
- エンパワメント:患者自身が本来持っている力を引き出し、自らの健康をコントロールできるように支援すること 。
- ナラティブ:患者が語る物語(主観的な病りの経験)のこと 。
- コンプライアンス:「服薬遵守」を指し、患者が医師の指示や治療方針に従い、薬を正しく服用・継続すること。
問81

解答
正答: 2
解説: パクリタキセル注射液 などの抗悪性腫瘍薬(抗がん剤)は、細胞毒性や発がん性、催奇形性を持つため、調製者への曝露(吸入や付着)を防ぐ必要があります。そのため、安全キャビネット内での調製が強く推奨されます。
問82

解答
正答: 2
解説: 世界アンチ・ドーピング規程において、ストリキニーネ は興奮薬として「競技会(インコンペティション)検査」において禁止されている物質です。なお、カフェインはかつて禁止物質でしたが、現在は監視プログラムの対象となっており禁止物質からは除外されています。
問83

解答
正答: 4
解説: L-アスパラギン酸カリウム注射液10mEq/10 mL などの高濃度カリウム製剤は、急速静注すると致死的な不整脈や心停止を引き起こすハイリスク薬です。誤投与を防ぐため、一般病棟や外来処置室での常備(定数配置)は避け、必要時に都度薬局から払い出すなどの厳重な管理が求められます。
問84

解答
正答: 2
解説: ダパグリフロジン などのSGLT2阻害薬は、インスリン分泌低下や絶食などのストレスが重なると、正常血糖ケトアシドーシスを引き起こすリスクがあります。そのため、周術期(手術前後)の患者には投与が禁忌となっています。
問85

解答
正答: 5
解説: 人生の最終段階における医療やケアについて、患者本人が家族や医療・ケアチームと事前に、かつ繰り返し話し合い、意思を共有するプロセスのことをアドバンス・ケア・プランニング (ACP、愛称:人生会議)と呼びます。
1. グリーフケア :大切な人を亡くした遺族が、その深い悲しみ(グリーフ)から立ち直れるよう、精神的に寄り添い支援することです。
2. リビング・ウィル :自分が意識を失うなどして意思表示ができなくなった場合に備え、延命治療の拒否といった終末期の希望をあらかじめ記した書面(遺言書)のことです。
3. インフォームド・コンセント :医師や薬剤師から治療の目的やリスクについて十分な説明を受け、患者自身が納得した上で同意することです。
4. ファーマシューティカルケア :患者のQOL(生活の質)向上という明確な成果のために、薬剤師が責任を持って行う薬物療法への関わりのことです。
問86

解答
正答: 2
解説: 成人に対する一次救命処置(BLS)における胸骨圧迫では、「胸骨の下半分(②の位置)」 を圧迫するのが最も適切です。剣状突起(④の位置)を圧迫すると内臓損傷の危険があるため避ける必要があります。
問87

解答
正答: 3
解説: 重症感染症などで原因菌が特定されていない初期段階に、幅広い菌に効く広域抗菌薬(エンピリック治療)を開始し、その後、培養検査や薬剤感受性試験の結果をもとに、より原因菌に的を絞った狭いスペクトラムの抗菌薬へ切り替える(または不要な薬を中止する)ことをデ・エスカレーションと呼びます。耐性菌の出現を防ぐための重要なプロセスです。
問88

解答
正答: 1
解説: 嚥下機能(飲み込む力)や発声・構音機能の評価、およびリハビリテーションを専門とする医療職種は言語聴覚士 (ST:Speech-Language-Hearing Therapist)です。薬が飲み込みにくい(嚥下困難)患者への対応において、剤形の変更検討などとともに連携すべき重要な職種です。
問89

解答
正答: 3
解説: クリニカルパス(治療の標準的な進行スケジュール)において、患者の状態が事前に設定された目標(アウトカム)に到達しなかったり、予定された処置が行われなかったりするなど、パスの計画からズレが生じた状態をバリアンスといいます。したがって「アウトカムが達成されない状態」 が該当します。
問90

解答
正答: 2
解説: 医薬品による重篤な副作用などが発生し、緊急に安全対策上の措置(警告欄の新設や使用上の注意の重大な改訂など)をとる必要があると厚生労働省が判断した場合、その指示に基づいて製造販売業者が作成・配布する文書を緊急安全性情報 (イエローレター)と呼びます。
※万が一誤りがあった場合、その結果については責任を負いかねますので、予めご了承ください。

